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1990年代に降臨したひとりの神様を拝むために2冊買った雑誌がコレだ!

1990年代ってのは、そりゃもうそれ以降の世代にまで語り継がれちゃうようなスーパーヒーローが雨後のタケノコ状態だったとも言ったら失礼かもしれないけどそんな感じの年なわけですよ。

サッカーなら中田英寿をはじめとする、それまでの日本サッカーを激変させた世代が何人も登場してJリーグの人気も高まり、そして1996年にはマイアミの奇跡を起こして日本中が湧き上がった年であり。
野球であればイチローがオリックスへ、松井が巨人に入団した年であり、そしてその後のメジャーリーグ挑戦から日本人離れした成績を重ねるに至る黄金期であり、高校野球には怪物・松坂が登場した年でもあり。
大相撲であれば「天才」貴乃花が横綱昇進したのが1994年であり、それは当然に「大横綱」千代の富士を破った1990年から続く若貴フィーバーの平成大相撲を牽引した一大ブームを築き上げた時代でもあり。

世界に移れば。
1994年1月。F1においてそれ以前にも、そしてそれ以降の現在までも、これ以上ショッキングなニュースはないであろう「英雄」アイルトン・セナの事故死。
格闘技の世界においてもアンディ・フグやピーター・アーツ、フランシスコ・フィリオ、アーネスト・ホースト、そしてグレイシー兄弟が登場して総合格闘技をメジャーにした時代。

そんな偉大なプレイヤーの中でも、ボクにとってもっとも重要であり、もっとも偉大な人物。
マイケル・ジョーダン。
アメリカバスケット(NBA)において、神と称される選手がもっとも輝いていた時代。
シカゴブルズでプレイしていた1998年までに、6回のNBA優勝、5回のMVP、オールスターでのMVP3冠を2回という前人未到の成績を収め、敵味方を問わずすべてのバスケットプレイヤーとバスケットファンを魅了し続けた最高の時代。

1998年。
ジョーダンがシカゴブルズから2度目の引退をした年。
その年のNBAファイナル。
対戦相手は強豪のユタ・ジャズ。
その第6戦 第4クォーター最後の37秒はすべてのバスケットボールファンにとって奇跡でしかない。

残り42秒で86-83とジャズのリード。
ジョーダンは冷静にブライアン・ラッセル選手を交わして得意な形でシュートを決める。
これで86-85と1点差。
この時点で残り37秒。
たった5秒で魅せた圧倒的なパフォーマンス。

そして得点を許したジャズからゲームは再開。
ブルズは攻撃を阻止し、ボールを奪い、そしてネットを揺らさなければならない。
当然、ジャズはゆっくりとボールをまわして時間を有利に使っていく。
そしてボールはジャズのマローンとブルズのロッドマンが対峙するシーンへと運ばれ。
刹那。
マイケル・ジョーダンがボールを奪う。

短いながらも残り時間を十分に使うジョーダン。
ジャズのラッセルと対峙して、転倒ぎりぎりの体勢から左右へ切り替えし敵を置き去りにするジョーダン。
そして17フィート(5.2メートル)の距離から見事な放物線を描くシュートを放つ!
ジョーダンは確信していた。
こうして自らがシュートを放つことを。
そのために、この後にジャズがボールへ触れていられる時間を減らす必要があったことを。
ボールを奪ってから動き始めるまでの短いようで長いあの時間は、そのための時間だった。
確信し実現する精神力と能力こそ、神と呼ばれるに必要な絶対条件であることを見せつけたジョーダン。
もちろんボールは決められた線をなぞるようにゴールへと進み、そしてブルズは残り5秒で逆転。

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したときの写真が『The Last Shot』と呼ばれるコレ!
写真1枚からその37秒の映像すべてを脳内再生余裕ですよほんとに。
この写真が見開きで載ってるだけで2冊買う理由になる!
というか2冊買った。もちろん。買ったからこそ言える。
なんだったら3冊買って、1冊は額に入れて飾っておきたいくらいの価値がある!
見開きに神ですよ。
もうね、拝むしかないでしょ。
拝むためには買うしかないわけですよ。
ボクにとってはジョーダンこそある意味マスターピースなわけですが、スポーツというのは興味の有無を無視したところで時代性を象徴するものになりやすいし、特にボクと同世代であればたぶん掲載されてる写真それぞれにいろんなことを思い出しちゃうんじゃないでしょうかね。
それは懐古主義とは違う、ノスタルジーとも違う。
時代性とかっていう不可逆なモノの中から自分を見つけ出すシンボルなのかもしれない。

しかし、こんな時代にこんな写真を見開きで載せちゃうんだからわかってるねナンバーは。
拝みますよほんとに。

Sports Graphics Number 2013年4/4号amazon.co.jp


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