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テクノロジーと人間心理の両面から『これから』について考えようか

会社(組織)という従来の在り方について、その是非ではなく、違う形もアリじゃね?という軽いスタンスでありながら、歪曲&サブカル臭ありな内容がとてもWIREDらしい今号です。
はい、ほめてます。
やっぱりね、こうした雑誌はヘンにわかりやすいよりも、読者を若干突き放して『おれたちについて来れないようじゃ、まだまだ甘いぜエッジじゃないぜ』的な雰囲気を醸し出してくれないと面白くない。
ほんと、ほめてます。

そういえば人を評価する言葉で『エッジ』って言うと、いまだとSPA!が『エッジな人々』とか連載してるかな?それくらいしか最近は見ないような気もするけど、WIREDが休刊する前は方々で『エッジな人』とか聞いた気がする。
懐かしいねエッジ。
EDGEと言えばLIVING ON THE EDGEなホリエモンも仮釈放だもんね。

今号で興味深かった特集は3つ。
1つめは『お金』についてのお話。
冒頭数ページだけの記事ですが、あたりまえのことを改めて考えてみるには面白い。
雑誌の面白さは『当たり前だろ』と切り捨てちゃうようなネタを掘り起こしてくるところかもね。
その時代性なんかで味付けしなおしてるところとか、雑誌を読み続けてるとその変遷もまた妙味。

2つめは『働く』ということについて。
これはメインの特集でもあり、とてもWIREDらしく日本的ではない特集。
これをそのままに日本の企業に対する不満みたいな形に昇華しちゃったらイタいお子様だけど。
見た目のインパクトだけではなく、その根底にある思想をちゃんと読み解く読解力が大事なのは、WIREDに限らずちょっとこんな雰囲気出しちゃう雑誌では必須のスキルなので、スキル磨き上げちゃいたい人にもオススメの雑誌です。
まぁでもいいねえこんなオフィス。
在宅ワークとかボクには向かない(サボる)から、通うのが楽しいオフィスってのは理想よね。

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そして3つめが『ジョン・マカフィー』
マカフィーと言えばもちろん、あのセキュリティソフトの『McAfee』の創業者。
すでにIntel子会社のひとつになってるMcAfeeですが、その創業者が2012年11月に殺人容疑で指名手配
そして翌12月に別件逮捕
そして逮捕から1週間後に米国へ強制送還というなかなか波瀾万丈な半生。
現実は小説よりドラマティックですねホント。

まぁこんなゴシップネタは本来あまり興味ないわけですが。
記事を読むとジョン・マカフィーという人間と、ボク自身も身を置くIT産業という世界の歪みがすこし覗き見え、そしてなんとなく覚えがあるようにも感じて、なかなかに興味深いところもあったわけです。
特に1980年代のIT産業というのは、それは当時を知っていれば魑魅魍魎な世界だったろうなと容易に想像できるような時代でもあり、そうしたものは現在でも根っこの方に残ってるような気もしちゃうわけですよ。
でもその世界で名を残せた人は、それだけで常人とはちょっとズレたなにかを持っていたはずで。

このジョン・マカフィーも、天才的な部分を持ち合わせながら、それだけに中庸ではいられない人なんだなと。

ある天才の半生をエンターテインメントとして読むのもアリだとは思う。
そんな人生はほとんどの人には無縁だし、そんな人生と縁ある人間と関わる機会もないだろうし。
だけど、そういう人生を歩むことになった人と、そのインタビューというのはコレ、濃いですよ。
理想を語ったり、現実を突きつけてきたり。
そうした記事も面白いけど。
やっぱりたまにはこうした『濃い』記事というのは必要。
オチもない、後味も悪い、そんな現実もたまには必要。

どんなにテクノロジーが発達して生活が便利になっても。
ありきたりなことだけど、やっぱり肝心なのは人間の性根なわけですよ。
そこのバランスをいかに整えて、快適に暮らしていくか。

経済と、仕事と、先の読めない自分の時間。
なるほど人生哲学じゃねえかとか思いつつ閉じた今号のWIREDでした。

WIRED VOL.7 GQ JAPAN.2013年4月号増刊amazon.co.jp


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